好きとごめんのその先に
「パパ。いつもありがとう、これもらって」
「お。ありがとう夕梨亜、嬉しいよ。1つどうだ?」
「いや…わたしはそれはいいや」
「そっか、じゃあ遠慮なく全部頂こう」
鼻歌まじりにパパはチョコの封を開ける。
1粒口に含むと、にっこり満足気。
「美味しい?」
「あぁ。大人の味だ」
なんて言って笑う。
……大人の味……大人って、恐ろしい。
……なんて。
でも、パパが喜んでくれてるのならよかった。
「誠斗くんにも用意してあるのか?」
「うん。一応、お世話にはなってるからね」
「…そっか。ありがとうな」
少しだけ眉尻を下げて、パパはわたしにお礼を言う。
何だかんだ言いつつ、一応気にはしてくれてるみたい。