好きとごめんのその先に
「お子様はお子様らしくしてろってことだよ」
「うるさい、おっさん。女子高生からチョコもらって鼻の下伸ばしてんじゃねーよ」
「誰がだ。ガキ」
「なんだよ、本当のことだろうが」
……結局、いつものやりとり。
仲がいいのか悪いのか。
さすがのわたしも、傍観することに慣れてしまう。
忠見さんの挑発に乗ってしまうところは、やっぱり奏多が幼いのだろうか…
「…まぁいいや。ゆりちゃん、チョコありがとう」
「ありがとな」
予想外にも、先に手を引いたのは奏多。
それに忠見さんが続いた。
「どういたしまして」
2人に向かってにっこり笑った。
何だかんだ言いながらも、みんなそれぞれのチョコに喜んでもらえたみたい。
わたしはそれで満足かな。