好きとごめんのその先に

「ゆりちゃん…？」


「……っ」



心配そうに名前を呼ばれて、ふと我にかえった。



今、ものすごく醜い顔をしていたかもしれない。





「そ…そうなんだ。よかったね。
…だって奏多、優しいもん、モテるのも仕方ないよ」



必死で笑ってそう言った。



醜い嫉妬の心を、できる限り抑えて。





「…え…ゆりちゃん、怒らないの…？」



ふと驚きの目できかれた。



今度そらしたのは、わたしの方。




「…別に怒ることじゃないじゃん。奏多は何も悪くないでしょ」


「…そう…だけど…」



なんだか腑に落ちない様子の奏多。



わたしの表情を探るような視線を投げかけてくる。