好きとごめんのその先に


どうにもならない不安を抱えながら午後の授業を受け、放課後になった。



ホームルームが終わり、エナちゃんにバイバイと言って教室の外へ。



「お待たせ、帰ろう」


「うん!」



いつもと同じように待っていてくれた奏多。



何事もなかったようにくれるその笑顔は、やっぱり無理をしているのだろうか。



そう思いながらじっと奏多の顔を見つめていると、今度は不思議そうな表情。



「…俺の顔に何かついてる?」



そうきかれ、無理してる?なんてきけるわけもなく、



「うん、目と鼻と口がついてる」



なんてふざけたことを。




「はは!何だよそれー」



ぷはっと笑った奏多に、わたしもつられて笑った。
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