好きとごめんのその先に


「…っやめて…!!」


―――ドンッ


「…っ」





精一杯の力を手に込めて、体を押し返した。



ぎりぎりのところで何とか免れ、咄嗟に彼の元から離れる。





反動で倒れた彼は、はっと我に返ったような表情。





「……悪い」



体を起こし、片手で頭を抱えてうな垂れる彼。



垂れた前髪の隙間から、伏せた目が僅かに見える。





「…ダメだって分かってるのに……大人気ないな。…怖がらせてすまない」



そう、申し訳なさそうに謝ってくれる。
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