好きとごめんのその先に


「…不意打ち…だったんだ…」



ぽつりと、奏多が言った。






「やっぱり諦められないって言われて…それで……」


「……」



隠さずに説明しようとしてくれるのを、わたしはただ呆然と耳にするだけ。



頷くことさえままならない。






「防げなくて……本当にごめん…」





また、奏多が“ごめん”。



さっきから、謝らせてばっかりだ。







…こんなの、嫌だ…
< 261 / 428 >

この作品をシェア

pagetop