好きとごめんのその先に
求める熱
―――どれだけの時間が経っただろうか。
気付けば辺りは暗く、この場にはわたし1人。
いつの間にか、拭う涙は僅かな量。
乾いた涙で頬がこわばってしまった。
「帰らなきゃ…」
立って、脚についた砂を払う。
顔を上げた直後、一瞬立ちくらみがしたけれど、壁に寄りかかってなんとか倒れずに済んだ。
胸のもやもやは消えないまま、覚束ない足取りで家まで歩く。
…こんなに距離が長いと思ったのは、初めてだった。