好きとごめんのその先に
突然前のドアが開いたかと思えば。
「か…かな…!?」
そこに、奏多の姿。
…なんでホームルーム中に…?
「こら。お前、2年の葛原だな。うちはまだ終わってないぞ、廊下で待ってろ」
「あ、やべ、フライングか。ごめんなさーい。
じゃあゆりちゃん、待ってるね!」
「……」
先生に叱られて、奏多は苦笑い。
最後にわたしにウインクを飛ばして、教室から出て行った。
………一体…なんなの…
『あはははは!佐伯の彼氏くんおもしれー!』
『ひゅー!待ってるってよ、ゆりちゃん!』
『なんか幸せそー、いいなぁー!!』
……なんてこと。
クラス中のみんなに冷やかされてしまっている。
男女問わず、仲のいい友達も、普段あまり話さない子も、みんな笑っている。
「こら、みんな静かにしろ。
…佐伯。葛原にはちゃんと言っておくように」
「…は、はい。すみません」
…先生まで。
朝といい、今といい、恥ずかしいったらありゃしない。
後で文句言ってやらなきゃ。