好きとごめんのその先に
「大丈夫か!?」
「…っ」
来たかと思えば、腕の中。
冷えた全身が温もりに包まれる。
「…忠見さん…どうして…」
「夕梨亜の帰りが遅いから心配で、ちょうど今、学校に迎えに行こうと思っていたところだったんだ。
電話も出ないし、何かあったのかと思って…」
「え…」
ふと顔を見れば、言葉通りの表情。
心なしか、彼の手から震えが伝わってくる。
「……でも、よかった…。おかえり」
そう言った忠見さんは、次の瞬間には、ほっとしたように微笑んでくれた。