好きとごめんのその先に
…どうせもう、奏多は他の人とキスをしたんだ。
だったらわたしだって、いつまでも初めてを守っている必要なんてない。
婚約者とキスをすることくらい、そんなの当たり前。
…そう考えてしまうなんて、わたしはおかしくなってしまったのだろうか。
…今まで何に必死になっていたのか、もう分からなくなってしまった。
もしこの場面を奏多が見ていたら、どう思うのかな。
…笑って許されてしまうのだろうか。
―――なんて。
見ていたのがせめて奏多だったらよかったって、後悔する時がくるなんて。
…わたしのこんな浅はかな行動が、後々裏目に出たと気付いた頃には、もう手遅れだった―――