好きとごめんのその先に
「忠見さん…」
「ん?」
「…さっき…ごめんなさい…」
ほんの数分前の醜態を詫びた。
あんなの、失礼すぎる…
冷静になった今、忠見さんの気持ちを利用してしまった自分が、つくづく情けない。
「…別に構わないよ。…それより俺は夕梨亜のことが心配だ」
「え…?」
「お前があんなことをするなんて、何か悲しいことがあったんだろ?」
「……」
そんな、優しい台詞。
「…俺じゃ、夕梨亜の力になれないか?」
目の前の人は、本当に優しい瞳をしている。
その目につられたのか、わたしの口は自然と開いていた。