好きとごめんのその先に


「お願いだから……指輪を外さないでくれ…」







…はっとした。



「…っごめんなさ…」



素早く彼の手を解き、ポケットに手を入れる。



くすみなく綺麗に光る銀をすっと出した。



例え受け入れたものではないとはいえ、彼の前で嵌めていないなんて、さすがに申し訳ない。







「…ま、今更だけどな」



ふっと鼻で笑ったのと同時に聞こえた言葉。



「前から知っていたよ。指輪は俺の前でしかつけていないこと」


「……!」



…思わず、嵌めかけた手が止まってしまった。
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