好きとごめんのその先に
今日初めて、携帯を開いてみる。
“新着メール1件”の文字に、思わず胸がとくんと鳴る。
忠見さんからのものだって分かっていても、もしかしたらって期待してしまう。
「はぁ…」
そんな情けない自分にため息ひとつ。
いないいないと思いながら、教室の外へ。
…やっぱり、いない。
わたしの視線の先で壁にもたれかかるのは、奏多には似ても似つかない人。
…そりゃそうだよね。
くすっと1人笑い、校門へ。
今日も待っているという彼の元に帰ることにした。