好きとごめんのその先に


何度かクラスメイトに「お幸せに」と声をかけられながら、校門を出た。



「…今度からはちゃんと確認してから入ってきてね」


「はい。すみません…」



さすがに申し訳なさそうに謝る奏多。



その隣で、わたしは1人くすっと笑う。





歩いているのは、春になると桜が満開の並木道。



入学してから毎日通る道だけど、今日はなんだか新鮮。



奏多とはもう長い付き合いのはずなのに、新しい関係になったというだけで、あらゆるものの感じ方まで変わってしまう。



…不思議だなぁ、恋愛って。





ドキドキ、ワクワク、頭の中が幸せでいっぱい。



好きな人と気持ちが繋がるのってこんなに嬉しいことなんだって、初めて知った。




…隣の奏多も、同じだといいな。
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