好きとごめんのその先に
嫉妬の罠
ふと聞こえた、求めていた声。
「これどういうこと?俺、何も聞いてないけど」
教室の前のドアに、厳しい表情の奏多。
携帯片手に、鋭い目でわたしを見てくる。
「なに他の男とキスなんかしてんの。…俺への当て付けか?」
「……は…!?」
何でそうなるの。
「婚約の話だって、なに勝手に承諾してんの。俺たちいつの間に別れたんだよ」
「……」
「俺とダメになったから次はあいつの元へって、そういうことか?」
「……っ」
「ゆりちゃんって、そんなズルい女だったんだ」
「………」
………何なの。
入ってくるなりいきなり、言いたい放題。
睨みつけるその視線は、一体どういうつもり?