好きとごめんのその先に


「今回のこと、全部コイツのせい。

…高山。言いたいことがあるならここでちゃんと言え」


「………」



相変わらず、奏多は強い口調。



さっきまではわたしに対してのものだった。




「直接言える根性もないくせに、こんな陰湿なことをする奴は最低だぞ」


「………」




怒りの矛先が変わったのか、何も言わない高山さんの態度に、奏多は苛つきを隠せない様子。



同じように彼女にも苛々が募っているようで、キツい目線をわたしに向けてくる。









「……うざ」



ボソッと低い声が聞こえた。
< 315 / 428 >

この作品をシェア

pagetop