好きとごめんのその先に


「…だけど、あなたはなに?
どうして葛原くんと付き合っているの?2人の男に愛されて、優越感に浸っているわけ?」


「ゆ…!?」



…優越感だなんて、心外だ。



そんなこと、一度も思ったことない。



…でも、やっぱり返す言葉がない。





「“割り切っているからといっても、本当は心の中は嫉妬でいっぱいだ”って、彼はいつも言っていたわ。
そしてこう続けるの。
“だけど夕梨亜は優しいから完全に突き放してはくれない”…って。」


「……」


「でもそれって、あなたが彼を都合良く繋いでいるだけでしょ?そのおかげで、誠斗さんは苦しんでいる」


「…っ」


「…そんな彼の気持ちを考えると、どうしてもあなたの幸せを壊してしまいたかったの」


「……」






……もう、やめて。



これ以上聞きたくない。




あなたの言葉は、間違ってはいない。




中途半端な付き合いをしたわたしが、全部悪い。



そんなこと、もう十分わかっているから…
< 318 / 428 >

この作品をシェア

pagetop