好きとごめんのその先に
静まりかえっていた教室は、再びざわざわ。
「何だ…?」
「どうなってんだ…」
「ワケが分からない…」
口々に疑問の言葉が飛び交う。
「…みんなは分からなくていい」
そう、ざわめきを止めたのは奏多。
「これ以上詮索するのはもうやめてくれ。お願いだからもう、そっとしてあげて欲しい」
奏多が教室中のみんなに向かって言葉を放つ。
「……」
「……」
みんな、言葉を詰まらせてしまった。
今の一部始終を見ていても、全てを理解できている人は、きっとこの中にはいない。
結局これは当事者にしか分からないことで、…他人にとっては、どうでもいい話。
そんなことを分かってか分からないでか、奏多はわたしを庇おうとしてくれる。
…どうしてそこまでしてくれるのだろう。
わたし、すごく酷いことをしてきたのに…