好きとごめんのその先に
「どういうつもりで、こんなことになってんの。…あいつのこと、好きにでもなったわけ?」
「……ちが…っ、……」
無意識に口を噤んでしまった。
…“違う”とは、なぜか言い切れなかった。
一瞬でも彼を愛おしいと思ってしまった自分に、罪悪感が募る。
「…俺が高山にキスされて、幻滅でもした?」
「……」
……そうじゃない。
あれは奏多が悪いんじゃないって、ちゃんと分かっている。
だからあの時、笑うしかなかったんだよ。
「…それとも本当はずっとあいつのことが好きで、邪魔者は俺の方だった?」
「……っ」
…それも違う。
奏多が邪魔だなんて、そんなのあり得ない。
わたしがそんな風に思っているように、奏多には見えていたの…?