好きとごめんのその先に
「本当は、全部嫌だよ…!
…忠見さんと抱き合うのも、夜を過ごすのも、…奏多が告白されるのも、キスされるのも、…全部…嫌だと思っているんだよ…!?」
奏多のシャツを握ったままの手に、ぐっと力が入る。
初めて言った、わたしの本音。
…ここまでこないと、言えなかった。
「お願いだから…、誤解しないで…。
…奏多のことが好きなの…っ」
必死の思いを、奏多にぶつける。
なんだか悲しくて俯いた。
いつの間にか溢れていた涙が、奏多の制服に染みをつくっていく。
胸元にある震えた手を、そっと剥がされた。