好きとごめんのその先に


カチャ…



静かに、扉の鍵を閉めた。




「ゆりちゃん…!何でだよ!!?…ゆりちゃんッ!!」



わたしの名を呼ぶ声が、厚い鉄を隔てて聞こえる。





振り返ってはいけない。


開けてはいけない。





奏多との最後がこんなのだなんてあんまりだけど、…わたしにはもう、こうするしかなかった。




残酷な女でごめんね…







わたしの、世界で一番、愛する人。




…一番離したくなかった存在が、今、離れてしまった。
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