好きとごめんのその先に


「え?」



わたしの言葉に、更に驚いた様子の彼。



「気を遣ってベッドを分けてくれたのかもしれないけど、わたしなら大丈夫よ。新婚夫婦が別々に寝るなんて、おかしな話じゃない?」


「あ…あぁ」


「自分の部屋をつくってくれただけで十分。夜は一緒でいいよ」


「…そうか。分かった」



彼に向かってにっこりと笑ってみせる。



まるで自分に言い聞かせるような言葉に、彼は頷いてくれた。





一緒に寝ることなんて、今に始まったことじゃないんだし、大丈夫。



もう夫婦なんだから当たり前なことだ。
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