好きとごめんのその先に
…これでいい。
こうやって、少しずつでも、夫婦をやっていけばいい。
誠斗さんはわたしを愛してくれている。
わたしも、彼を愛したい。
彼を愛し、子供ができたら共に笑い、そうして当たり前の日常を過ごす。
ごく普通の夫婦として、共に家庭を築く。
それがいい。
引き返すことなんてできないところまで、いってしまおう。
わたしはもう、忠見夕梨亜。
これからは、彼の妻として、彼の隣で生きていく。
…わたしの新しい人生に、奏多はいらない―――