好きとごめんのその先に
不思議と、悲しくはない。
怒りなんてもっと湧いてこない。
何も感じることはなく、心の中がぽっかり空いているような、変な気分。
“おめでとう”と無意識にメールを送っていたことに後で気付いた時は、さすがに自分が情けなくなった。
神様のイタズラか。
それとも、なるべくしてこうなったのか。
…どっちにしても、俺が彼女の手を離してしまったことには変わりない。
ごめんね、ゆりちゃん。
こんなガキで、無力な俺で。
最後まで約束を守れなくて、ごめんね。