好きとごめんのその先に
「おかえり夕梨亜、帰っていたんだな。ちょっと話があるからリビングに来てくれないか」
「…?」
突然ふすまが開いたかと思えば、手招きしてくるパパ。
後を追ってリビングに向かった。
「座って」
促されて、いつもの自分の席に座る。
目の前には、スーツを着た黒髪の男の人が2人。
……あ、この人たち…
「夕梨亜、この方を覚えているか?」
「あ、うん。忠見さん…」
「そうだ。懐かしいだろ」
「うん。…??」
パパに若い男の方を差されて、数年前まで頻繁に合わせていた顔をふと思い出す。
中学の頃家庭教師に来てくれていた、忠見誠斗さん。
わたしの卒業と同時に、ここ2年程めっきり会わなくなったのに…
…どうして今ここに…?