好きとごめんのその先に


「…いや、こんなことが言いたいんじゃないの。あたし、あなたに会ったら伝えようと思っていたことがあって…」


「なに…?」



そう言って咳払いをひとつした高山さんが、わたしの目を見る。





「……彼は…誠斗くんは、最初からこうするつもりでいたんです」


「え…?」


「1年経ったら、あなたを手放すって」


「……」



聞こえてくる言葉を、瞬時に理解できない。



最初からって…?




「自分が幸せをもらうのは、1年もあれば十分だ、って。
それ以上あなたを縛り付けたら、本当に何もかも壊れてしまいそうだ、って、彼はそう言ってた」


「……」


「…だから彼、婚姻届は出していないよ」


「えっ…」
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