好きとごめんのその先に


「……っ」



思わず、涙が溢れた。





…なんて優しい人なんだろう。



それ程までにわたしのことを想ってくれていたなんて…






「あなた、離婚どころか、結婚もしていなかったのよ」



そう言って、ははっと、彼女が笑う。



「…うん……あはは…っ」



つられて、わたしもぷはっと息が出た。






…誠斗さん、悲しい思いをさせてごめんね。



…でも、本当に、ありがとう。



結婚したのが、あなたでよかった。
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