好きとごめんのその先に


「あ、それと。あたし、もうあなたを恨んだりしていないから、安心して」


「え?…あ、うん、ありがと」



そう言えばいつか、“あなたのことは許さないから”って、言われたっけ。



あの頃は、あなたもすごく苦しんでいたんだよね。



でも本当はこんなにも可愛らしく笑える子だってこと、今日は知ったよ。







「頑張って、夕梨亜さん」



彼女にそう声をかけられながら、校門を出る。





「…ありがとう…!」



精一杯の気持ちを込めて、言葉を返した。







わたし、もう一度走るよ。




大切な人の元へ―――
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