好きとごめんのその先に
暖かい風が吹く、小高い丘。
その一番端の、“佐伯家之墓”と刻まれた墓石の前に、手を合わせる人の姿。
わたしの声に、ゆっくりと振り返った。
「ゆりちゃん…!?どうして…」
長い間見なかったその姿に、わたしの鼓動が止まらない。
「どうしてって…メール…!」
「え…見てくれていたの…?また消されたのかと思ってた」
「うん…誠斗さん、ちゃんと残してくれていたの」
「…そっか」
ほっと、安心したように穏やかに奏多は笑う。