好きとごめんのその先に
奏多の元に帰ってきてからの5年は、なんだか過ぎるのが早かった。
あの日の宣言通り、4年制大学を卒業した奏多は、その後は一般企業に就職。
2年目となるこの春、わたしにプロポーズをしてくれた。
パパは、心から喜んでくれた。
誠斗さんやご家族とも、あれから縁を切ったわけではなく、報告したら祝福してくれた。
「あ。これはここに置こう?」
「うん、そうだね」
リビングの窓際にある棚の上に、コトンと1枚の写真。
白いタキシードを着てきめた奏多と、素敵なドレスを身に纏ったわたし。
それから、祝福してくれたみんなの笑顔。
きらきら、幸せそう。
小さい頃からずっと願ってきた夢が、やっと現実になった。