好きとごめんのその先に
年が明けて世間はお祝いムードの1月。
雪をちらつかせながらも太陽が眩しく街を照らす中、わたしの心は大雨洪水警報発令中。
なぜなら、今日、大好きな人が日本を立つから。
「ミユ。何か欲しい物あったか?」
出発前の空港で一緒に買い物をしてくれる、いとこのお兄さん。
小さい頃から、10年以上前から、ずっと好きな人。
「んー…まだないかなぁ…」
「そうか。見つけたら言えよ、買ってやるから」
「うん。分かった」
わたしの欲しい物なんて、もうとっくの前から決まってる。
半分は手に入れたようなもの。
…だけどもう半分は、きっと手の届くことのない、すごく淡いもの。