好きとごめんのその先に


…今パパ、何て言った…!?



「ちょうど私の妻が働くロシアの支社が、私の会社と提携を結ぶことになってね、それに伴って少々、子会社の整理をすることになったんだ」


「そう、それで、夕梨亜が誠斗くんと結婚してくれたら、パパの会社はもっと大きくなれるんだ」


「は…?」



笑って、パパたちが言う。





パパが社長を務める会社は、忠見さんのお父様が経営するインテリア企業の子会社。



輸入家具の販売を中心とするパパの会社は、極小ではないものの、それほど大きなものではない。



だから、わたしが忠見さんと結婚したら、いくつかの子会社を統一して地方支部をつくり、パパがその責任者になるらしい。



…あまり詳しいことはよく分からないけど。



でも、会社を大きくするためにわたしを結婚させるのって…







「……それって…、政略結婚…ってこと…?」






…だよね。
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