好きとごめんのその先に


彼には彼なりの考えが何かあったようで、結婚したかと思えばすぐに独身に戻った。



そんな愛し方もあるのかと、寂しくなった反面、ますます誠斗くんが愛おしくなった。



もう、苦しい思いはしたくないのに。



でもどうしてか、この人以外は考えられなくて。



今度こそ本当にわたしの隣にいて欲しいと願うのに、頷いてもらえる自信もなく、口には出せずにいる。




「ミユは俺が海外で住むことに反対すると思ってた」


「…わたしが反対したところで留まるような人じゃないじゃん」


「はは、確かに」



わたしが少し拗ねてみると、けらけらと笑う彼。




…本当は、賛成なんかしていない。



どうして行っちゃうの。



海外なんて、簡単に会えないじゃん。



もうこれ以上離れるのは嫌だよ…
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