好きとごめんのその先に
「そんな大層なことじゃないよ。忠見先輩とは昔から仲良くさせてもらっているんだし、夕梨亜だってお世話になっただろ」
…それはそうだけど……
忠見さんのお父様とパパは学生時代の先輩と後輩の関係らしいし、わたしも昔に何度か遊んでもらったことがある。
それに忠見さんは頼れるお兄さんっていう感じだし、別に嫌いじゃない。
…でもだからって…
「…わたし、今の生活で十分満足してるよ。パパはそうじゃないの?」
「……」
わたしの言葉に、途端にパパは目を泳がせる。
パパの収入は低いわけではない。
むしろ、片親で人並みの生活ができているくらいだから、どちらかと言えば多い方なのかもしれない。
それなのに、パパは娘を売ってまでそれ以上を望むっていうの…?