好きとごめんのその先に
「…多分、ちょっとだけ寒いからかな。夜になると冷える季節になったよね」
そう言って、ははっと笑った。
『ほんと?大丈夫?風邪引かないように気をつけてね』
耳に返ってくる、こんな優しい言葉。
なんだかまた涙が出そう。
「うん、ありがとう」
『じゃあもう今日は早く寝なよ。また明日迎えに行くね。おやすみ』
「おやすみ」
ふっと通話が途切れた。
…やっぱり言えない。
悲しませたくないって思ってしまう。
…でもいつかは言わないといけない。
早く言った方がいいことも、分かってる。
…だったらせめて、直接言いたい。
面と向かって、ちゃんと伝えなきゃ。
ごめんね、奏多。
もう少しだけ、待っていて…