好きとごめんのその先に
隠せない
―――あれから、眠れない日が2日続いた。
頭の中がもやもやと、一昨日の出来事が今だに受け入れられないでいる。
結局、まだ言えていない。
直接言おうって決めたのに、いざ奏多の顔を見ると何も言えなくなってしまう。
…どうしよう。
今日は奏多の誕生日だっていうのに。
「ゆりちゃーん!」
朝8時前、今日も愛しい声が外から聞こえてきた。
何も知らない奏多の、相変わらずの明るい表情が、見なくても分かる。
「おはよー!」
「おはよう」
ドアを開けると、想像のまんまの奏多の姿。
「夕梨亜、行ってらっしゃい」
玄関から声をかけてきたパパ。
「……うん」
振り向かず、ドアを閉めた。