好きとごめんのその先に
直接対決
―――キーンコーンカーンコーン…
寝て過ごした1日は早かった。
授業中に寝るなんて滅多にないことだけど、今日はほとんどを爆睡。
「先生たちも心配してたけど、大丈夫?」
「あ、うん、ありがとう。助かったよ」
エナちゃんが毎時間、わたしは体調不良だということにしてくれていたみたいで、先生からのお咎めはなく寝ていられた。
エナちゃんは本当に気遣い上手な子だな…
わたしとはまるで正反対。
「じゃあわたし、もう帰るね。今日はゆっくり寝なよ?」
「うん、そうする。ありがとう」
「バイバイ」
にっこり笑って教室を出て行く彼女に、わたしも笑って手を振った。
…奏多、今日は来ない。
もしかして、呆れてもう帰っちゃったのかな…
1人になって、そんな不安がまた押し寄せてくる。
…今日は1人で帰ろう。
はぁっとため息をつき、鞄を持って席を立った。