好きとごめんのその先に
「…パパ」
ふすまを開け、奥に座る人に声をかけた。
「夕梨亜…っ、今の…!?」
「…ごめん…聞こえちゃった…」
わたしの姿を見て、慌てて目をこするパパ。
1歩中に入り、その前に座った。
「…わたしなら大丈夫だよ。父親失格だなんて言わないで」
「夕梨亜…」
「わたし、忠見さんとちゃんと向き合おうって思う。…結婚するとは、まだ言い切れないけど…」
「………そうか。…ありがとう」
涙を流すパパに向かって、少し微笑んだ。
しばらくあまり口をきいていなかったからか、何だか変な気分。
…どれだけ腹が立っても悲しくても、父娘2人の家族なんだから、大事にしなきゃ。
男手一つでここまで育ててくれたパパのことを考えると、しばらく身を売ることくらい我慢できるはず。
…大丈夫。