好きとごめんのその先に
「じゃあ、そっちの布団で寝てね」
仕方なく、客用の布団を床に敷いた。
よく、泊まりに来た奏多が使っていた布団。
ここ何年か押入れに仕舞いっぱなしだったのに、まさかこんなことで出してくることになるとは…
…奏多の匂いが消えないといいけど…
「布団なんていらないよ」
「は?」
目の前の男がまた突然変なことを言い出した。
いらないって…まさかの雑魚寝?
「俺もこっちで寝るから」
「えっ、ちょ…!?」
ベッドの布団がめくられたかと思えば、もぞもぞと体をねじ込んでくる忠見さん。
1人用のベッドをほとんど陣取る形で、無理矢理入ってきた。