好きとごめんのその先に
「ん…夕梨亜…」
もぞもぞと布団が動いたかと思えば、目を覚ました忠見さんがわたしに手を伸ばしてきた。
「…っやめてよ!」
ペシッとその手を払い、ベッドを降りて彼から離れる。
払った手は追いかけてくることなく、元の位置に戻った。
「早く着替えて家に帰れば?仕事に遅れても知らないよ」
「んー…」
少し強く言っても、寝ぼけている彼には響かず、再び布団に潜り込んでいく。
…寝起きの悪い人だなぁ。
もう本当に知らないんだから。
制服を持って隣の部屋で着替え、リビングへと降りた。