好きとごめんのその先に


「おはよう、夕梨亜」


「おはよう」



既に起きていたパパは、ちょうど朝食を食べようとしているところだった。



わたしの分が用意された席に座り、パパと向き合う。



隣の席にもう1人分の朝食があることに、心の中で深いため息。




「ねぇパパ。…今度から忠見さんが来る日、わたしはリビングで寝ちゃだめ?」


「え?どうしてだ?」



わたしの突然の言葉に、パパは目を見張る。



「昨日何か嫌なことをされたのか?」


「……あ…えっと…」




嫌なこと…




頷きたいのに、頷けない。




「…なんだかあまり落ち着かなくて…」



誤魔化さないといけないって、無意識に思ってしまう。




…嫌だって、言いたいのに。
< 97 / 428 >

この作品をシェア

pagetop