Re:alism
45分後、目的地に着いた


下りる人は少ない



「…で、どこ行きます?」


「俺ここ初めてだから知らなーい」


「…私もですよ…」


「はー?じゃ何で下りたンだよ!」


「それは祝詞さんがここまでの買ったからでしょー!」



たまにこの人との会話は疲れる…;;;



「ははっ美やっぱ面白ー。」


本人は逆らしい



そしてブラブラ歩いていると、あるショーウィンドウの前で足が止まった


その中のものに私はつい見とれてしまった



「…きれー…」



純白のウエディングドレス


胸の下部から足元にかけて小さな花が直線を描き、裾はきめ細かなレース状になっている



「あれ?美?」


気付かず歩いていた祝詞さんがやっと振り向いた


「…ウエディングドレス?」


「あっ…はい…」



私は別に結婚とか興味なかった



だって人と付き合ったことなんてなかったし、こんなドレスを着られる日なんて一生ないんだろうなって諦めてた



でも憧れは、ある



女なら誰でもそうなんだろうな…



女なら、一度はウエディングドレスを着てみたいって思うんだろうなー…


「美も着たいんだ?ウエディングドレス」


「やっ…その────…まぁ…」



今はその“夢”が


「なら…俺が着させてやるよ」



こんな口約束でも


叶うような気がしたんだ



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