Re:alism
「あっそうだ」


突然振り向いた祝詞さん


「ぎゃっ!!」


私は驚いたのと恥ずかしいのとで顔を隠した



「美ー洗濯する時にはちゃんとポケットの中確認しろよー」


「…?」



そして角を曲がり、視界から消えてしまった



「…洗濯…?」



わざわざ今言うことじゃないだろ…と思いつつ、家に入った



「ただいまー…」


居間に入るとすぐテレビを視ていたお兄ちゃんと目があった



「…」


私は無言で部屋を出、階段を上がろうとした


「ちょっと待って!」



それをお兄ちゃんに、腕を掴まれ止められた


「…何…」


「ちょっと話がある」



そして再び居間に戻された



お兄ちゃんの斜め前のソファに座る



「…昨日はごめん」


腰を下ろして間もなく頭を下げた



また何かされるのでは、と身構えていた分私は拍子抜けした



「…昨日はその…やっと自分の気持ち伝えれたっつーか…それでちょっと───どーにかしてたな俺…」


「…言い訳はいいよ別に」



何であれ許せない


栃村と同じことしたんだから───



私の気持ち無視して、あんなこと…



「…マジごめん…────昨日の夜もあいつのとこ行ってたんだろ?」



あいつ…って祝詞さんのこと


「…違うよ…友達──」


「嘘。あいつだ」


「…っお兄ちゃんには関係ないでしょ…友達ったら友達なの…っ!」



私は立ち上がった


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