Re:alism
そして取り出したとき、その下にあった一冊の冊子が目に留まった。



見覚えのあるそれは


「…中学の卒業アルバム…っ」


祝詞さん…そしてお兄ちゃんの、中学時の卒業アルバムだった



「懐かし────…」


お兄ちゃんは当時恥ずかしがって見せてくれなかった物…だから、実際はこの表紙しか知らない。


「…これに、若かりし頃の祝詞さんも写ってんだよね…(←失礼。)」



リモコンをテーブルに置き、両手に持ったアルバムの表紙を開く


1ページ、2ページ…


4ページ目から生徒の紹介だ。


「…確かお兄ちゃんはB組だったから…」



A組に知っている人はいないことを確認してから、次を開いた



“咲田 晄”


「…若…てか、幼っ!!」


こんな顔してたなぁー…なんて思い出しながらも、何故か笑えてくるのは本人に失礼かとも感じた


…でもやっぱり堪えきれないのは仕方ないよね?(笑)


「…てか、祝詞さんいない…C組かなぁ」



そして次を捲った



「────…え…?」



────それは、今の姿からは想像もつかないような…


“沢瀬 祝詞”


…茶色の短髪で、鋭い目つき


まるで何かを睨むかのような…。


< 108 / 109 >

この作品をシェア

pagetop