Re:alism
「…こんな時にまで…っ!」



本文を見ることなくメニューを開き、“削除”を選択する。



そして決定ボタンを押そうとした────


「…?」


が、あることに気付いた。



いつもならテンションの高い台詞が書かれているはずの件名が、『RE:』になっている。


────“RE:”…?


…て、返信の時の…だよね?


…てことは、私に返信した…ってこと…?



私はメニューを閉じた。


「…まさか…こんなところにメールなんて送ってないよね…覚えもないし…」



そして送信メールボックスを開いて一番に目に入ったのは、先程先輩に送ったはずの大切なメール。


今改めて見ると、本当に典型的な内容だ。



そして宛先には、大好きな先輩…


「────…あれ?」


ではなく、いつもの迷惑メールのアドレスになっていた。



「───うっ…そ…」



…私って


「…え…───まっ…

間違えた────っ!!」



どこまでも

ついてないなぁ──…


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