Re:alism
「ちょ…美?!」


「ごめん!先帰っててっ!!」



私は傘をさし、駅まで走った。



「────…はぁ…はぁっ」


息を切らし、15分で着いた。



駅前の───時計台…。



そこには、雪だというのに沢山の人がいる。


ほとんどがカップルだし…。



…そういえば


あの人がどこにいるのかって、全く分からない。



特徴も、今日の服装も何も知らないから。



「…来たはいいけど───…これからどうしよ…。」



とりあえず、私が来たのはあくまでも誰かをこんな寒い中待たせるということに罪悪感を感じたから。


それが見ず知らずの社会人だなんてとんでもない!



だから会って…


一言文句言ってやるんだ


“もう迷惑メールを送りつけるな”って。



「…でも…どうやって探したらいい…─────…」


時計台の少し手前から遠目で見渡していると、1人の男の人が目に入った。



ベンチに足を組んで座りながら、何か沢山の紙(多分資料だと思う)を睨んでいる。



…あの人…


とっても瞳が綺麗…。


きっと、性格も良いんだろうなぁ────…。


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