Re:alism
────待ち合わせ時刻10分前


俺は今日も残業だったのを、家での資料まとめを引き替えに早く上がらせてもらえた。



…まぁ…俺も男だし?


自分から持ち掛けた話を取り消しになんて出来ないって。



…にしても早く来すぎたかも…。



暗いし寒いし詰まらないし…何より、“ハル”が本当に来るかどうかも期待出来ない。



「…まぁ…時間まで待ってみるか。」


することがないので、両手に資料を広げる。


少しでも“宿題”は減らしておきたいからな…。



────そういえば、どんな奴なんだろう…。


メール通りバカっぽい奴?


いや…まずは歳、か。



無知な中学生?


もしかしたら三十路過ぎのオバサンかもしれない。



…まぁ何でもいっけど。


俺、基本歳は問わないから誰でも大丈夫なんだよね。


────ただ1つだけ許せないのは…



「ぶっ!」


?!


急に吹いた強風により、手から1枚の資料が飛ばされてしまった。


それを奇声と共に、見事顔面キャッチした女子高生が…。


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