Re:alism
そしてしばらく続く沈黙…



────私、もう行ってもいいですか?


「…俺待ち合わせてンだよね。」



(駄目だったか。)


「彼女ですか?」


そりゃこんなにカッコいいし気立ても良さそうだし…



「…もう来るかな────…“ハル”」



うゎ───この人さっきから聞いてたり聞いてなかったり


よく分から───



「…えっ?」


私は目を見開いて、その男の人を見た。



時計台を見上げていた彼は、私の声に再びこちらに目をやった。


「…?」


「いっ…今、…“ハル”って…?」


「?うん…言ったけど。」



…もしかしてこの人が…?



「…あの…Kゎ…じゃなくて、メールの人ですか…?」



最初不思議そうに首をかしげていたが、しばらくした後私に向かい指を指した。


「────えっ“ハル”?」



「…はぃ…。」



────この人があのメールの人…


…イメージと違ってたけど、カッコいいしある意味よかったかも。


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