Re:alism
「───でも…何でそこまでしてくれるんですか?そんな知らないのに…」


「これから知ってけばいいじゃん♪付き合ってンだし。」


「付き合っ…───え?!付き合ってる?!!」


「だって言ったでしょ?メールで“いいよ”って。」



…それは…普通無効なんじゃ?!


「だって間違いで…」


「もう交わされた誓いを破るなんて出来ないって。諦めな♪」



…この人は一体…;;;

「…明日から他人です。」


「じゃ明日はデートね!」


「…(イライラするほど会話にならない。)」


…まぁ家に帰って、メールさえしなければどうってことないか…。


────あ、そういえば…


「あなたは誰…?」


この人の名前知らない…(聞いても意味ないけど)



「?あぁ、名前ね…俺は…」



スッと、胸ポケットから名刺を差し出された。


素直に受け取る私。


「沢瀬───…しゅくし?」


「“のりと”。沢瀬祝詞ってーの。めでたい名前だろ?」



確かに…


「…“祝詞”って本当は祈りとか意味あるみたいだけど、家は普通に信徒だから♪

で、そっちは?何“ハル”?」


「私は…咲田美。です。“美しい”って漢字一文字で“ハル”。」


「へぇ…───美しい…ねぇ?」



…もぅ名前…本当嫌!!



「…てか、美しいってより可愛い、じゃん?」


「…っ?!」


ビックリしたぁ…


だって男子は基、女子にもお世辞でも言われたことなかったから…。



…ちょっと嬉しい…かも。


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