Re:alism
「そんなことな…」


「帰るか。」


「…はぃ。」


とことん話を聞かない人だ…。



────それから家に帰ると、一番に親に叱られた。


私は“部活”を言い訳にして、二階に逃げた。



自分の部屋に入るなり、ベッドに飛び込む。


「はぁ~…疲れた…。」


今日本当は顔を見るだけのつもりだったのに…



───声を聴いて、名前を知って…


…触られて…。



──さっきあの人…沢瀬さんに触れられた太股に


あの手の感触がまだ残っている感じがする。


「…て何考えてんの私っ!!」


パチパチとほっぺを叩く。



───これだけでさっきの出来事を忘れられたら



こんなにドキドキしないよ────…



────それから夕ご飯を食べてお風呂に入って、自分の部屋に戻ってきた。


「…あれ?」



そして、机に置いてあった携帯が鳴っているのに気付いた。



…長い…


メールではなく電話らしい。



手に取り画面を開くと、知らない番号からの着信だった。



「誰…?こんな夜遅く…」


時は既に23時。


ここまで迷惑な知り合いはいないし、こんな時間に誰かに電話される覚えもない。



…とりあえず出るか…?



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